2016年2月28日の練習記録

「唱歌の四季」の中の3曲を練習しました。
これまでは主に音取りを行っていた「茶摘」でも、大久保師匠から三善晃作品の特徴を交えながら表現の仕方をご指導いただきました。
「夕焼小焼」は今まで受けた注意点が守られていない箇所が幾つか見られて、確認しながらの繰り返し練習となりました。
3曲目として「朧月夜」の練習にも入り、バリトン・バスが主旋律以外を歌う箇所の前半部をメインにご指導いただきました。
練習録音を既にネット上に登録していますので、併せて復習にご利用ください。

「茶摘」
曲全体をレガートにしてしっとり系で歌うよう、ご指導を受けました。
何箇所も出てくる「つ」の発声は「tsu」ではありますがきつい「ツ」にならないようにしましょう。英語風の「tu」とも違います。
ピアノ伴奏と合わせて綺麗な音楽が生まれます。ピアノの和音を特によく聴きましょう。
お師匠様から曲のイメージとして大きなスケールで、太陽光線が水に映りキラキラと輝くような原色(緑色)とのご説明がありました。これは7小節目の「♪のにもやまにも♪」のところでお話があったものです。
以下、1から8までは前半の主旋律を歌うトップ・セカンドへの注意点です。
1. 最初の「♪なつも♪」は丁寧に入る。
2. 歌い始めの前からピアノ伴奏でクレシェンドがついている。
  これに合わせて1段目で若干のクレシェンドを入れる。
3. ラインをつなげるようにして、「♪ちかづく♪」で「ち」と「か」の間は
  音を抜かずにしっかりとつなぐ。
4. 5小節目で「♪はちじゅうはちや♪」に入るところでは広がりがほしいので、
  テンションを落とさずにはっきりと入っていく。
  「はちや」に向かって真っ直ぐにつなげる。
5. 7小節目「♪のにもやまにも♪」からもひと山でつなげて、「も」の後でも抜かずに
  「♪わかばが♪」へきっちりとつなげる。
6. 10小節目の「♪しげる♪」は次のフォルテ「♪あれに♪」に向かって
  テンションを落とさずにクレシェンド気味につなげていく。
7. 11小節目「♪あれに♪」は遠くに広がるイメージを持って歌う。
8. 17小節目「♪すげのかさ♪」は消えていくように歌うが「の」をしっかり残して
  「か」につなげた上で、遠くへ続いていく感じを出す。
ここからはバリトン・バスも入ります。
9. 20小節目からは全員がバスの動きをよく聴いて合わせていく。
10. 21小節目「♪つづきの♪」の始めの「つ」は広がりを持たせ声を鳴らして和音を作る。
11. 24小節目の「♪こころ♪」はおとなしめに入りクレシェンドしていく。
  特にバスが誘導するように持っていく。
12. 26小節目「♪つみつつ♪」の後半「つつ」からはピアノ伴奏のクレシェンドに合わせて
  テンションをかける。
13. 28小節目「♪つめよ♪」からは広がっていく感じを出し、ずっとテンションを落とさない。
14. 32小節目の「♪つまにゃ♪」は「つ」「ま」「にゃ」のひとつひとつの音にストレスをかけて
  重さがほしい。
  特にバスは広がるような感じにしたい。(「にゃ」で唯一、音が上がっている。)
15. 37小節目の3拍目はストレスをかけた後で弱める。特にトップとバスで意識したい。
16. 最後はスモルツァンドで、消え入るように引いていく。

「夕焼小焼」
この曲の歌い方は原色(前の「茶摘」が該当)ではなく中間色のイメージです。
1. 出だしの「ゆ」は「ゆ」と「よ」の中間くらいで入り、4小節目の「♪かねがなる♪」までを
  テンションを落とさず続ける。
  特に、2小節目最後の「て」の後では「や」にしっかり続け、抜いてはいけない。
2. 3小節目で「♪おてらの♪」の「て」で音が上がるときに強くならずなめらかに!
3. 5小節目「♪つないで♪」からもテンションを落とさず前に向かう気持ちで歌う。
4. 8小節目の「♪かえりましょう♪」でもテンションを落としてはいけない。
5. 9小節目「♪こどもが♪」の「が」が上手くないので、口を開いて発声する。
6. 14小節目最後の「は」の後はブレスしてよいが、指揮をよく見ること!
7. 15小節目途中の「♪きらきら♪」では空のイメージを持たせる。
8. 19小節目の「♪やまの♪」からは2小節かけて徐々にクレシェンドする。
9. 22小節目「♪みなかえろ♪」は最後の「ろ」に向かって緊張感を出していき
  (この部分は前回の注意点で書き漏らしていました)、「ろ」でデクレシェンド。
10. [トップとセカンド] 23小節目「♪からすと♪」で次の「♪A---♪」を意識して
  「すと」辺りで弱まる傾向があるので弱めずにしっかり発声する。
11. [バリトンとバス] 23小節目の1拍目の後は残さない。続く「♪いっしょに♪」からは
  別物として切り替える。
12. [トップとセカンド] 24小節目「♪かえりましょう♪」の出だしの「か」は
  K子音を意識してはっきりと出す。
13. 24小節目のテンポ感は指揮を見てつかむ。
14. 26小節目で「ろ」に入る前の「え」の音で抜いてはいけない。
15. 26小節目最後の「ろ」は口を縦に大きく開けて(特にトップは指3本分)
  「ら」にならない形で発声して、次のページに移る前まで広げた後に瞬間ブレスを取る。
16. 27小節目「♪いっしょに♪」の「いっ」の発声を丁寧にする。
17. [セカンド] 28小節目2拍目の「え」はセカンドだけが動くのではっきりと強く!
18. 29小節目の「♪しょう♪」はトップ高音部の動きを活かすためにも
  次の「♪そらには♪」にナイルぎりぎりまで伸ばす。ブレスはなし。
19. 32小節目はスモルツァンドで消えるように弱めていく。

「朧月夜」
曲想についての大久保師匠のお考えは次回の練習時に伺いたいと思います。
速度はラルゲットで、かなり遅いテンポで入ります。
練習ではまず、転調する箇所と4声が分かれる部分の確認を行いました。
トップとセカンドは途中まで主旋律を歌う部分がほとんどです。
4声が分かれる20小節目最後から32小節目まで、主旋律以外を歌うバリトンとバスを中心に音取りから入りました。
【着目点】29小節目を例に取ると、他の楽譜では前の小節3拍目からの弱起ですが、三善晃氏の楽譜では「さとわ」が1拍目で始まっています。それに伴い1拍だけの小節も入り込んでいます。このような構成によってこの楽譜では揺れる感じが出ます。
他にも三善氏特有のこだわりがありそうですので、「唱歌の四季」の味わいを楽しみたいですね。(この一文は個人的なコメントです。)

以上、今回もかなり多くの注意点があります。
演奏に活かしながら上を目指していきたいものです。  by セカンドテナーの記録係


補足情報

 

2月20日の日記について、団員のおひとりからメールで補足情報をいただきました。
情報共有のためにこの掲示板にも記載しておきます。

「夕焼け小焼け」で若干補足するとすれば

① 4小節をノンブレスで歌うのを原則とする
(多分息が続かないだろうからパート内で重ならぬようカンニングブレス。
 先日聴いていた限りではどうしてもほぼ全員が2小節目の終わりで揃って
 ブレスする傾向強し。ここで揃えるのは避けましょう)
② 26小節最後の「休み」はブレスする時間の事。
③ 曲の最後は32小節 Ossiaを採用。
④ 4部合唱は外声(男声合唱ではトップとバス)と内声(同セカンドとバリトン)
で構成されている。良いハーモニーを得るには外声パートは常に内声を聴く事。
フォックスの場合も御多聞に漏れず「外声」は「唯我独尊」の傾向強し。
十分注意しよう。また「内声」は聴かれるに足る「緻密な歌唱」を!

   なお小生から各位への「お勧め」としては

⑤ どの曲も「ユニゾン」(全員が同じ旋律・リズムで歌う)と「和音部分」
(パートで異なる音を出し和音を構成する)の交錯からなるので、
自分の楽譜にその区別を書いておくと何かと便利。
例えば「Uni」「Div」とか。こうすれば「Uni」の部分は少し音量を落とし、
「Div」の部分はしっかり歌う事等が素早く出来ると思います。

以上の補足がありました。   by セカンドテナーの記録係


2016年2月20日の練習記録

「夕焼小焼」を集中して練習し、「朧月夜」には入れませんでした。
練習録音を既にネット上に登録していますので、併せて復習にご利用ください。

大久保師匠から「唱歌の四季」男声版について全般的なご説明がありました。
立教OB用に100人規模で歌うように作られた曲だそうです。
4つの季節を代表する4つの曲に、「夕焼小焼」はアンコール用として加わったとのことです。

「夕焼小焼」に限らないのかもしれませんが、歌うためのコツについてお話がありました。
・発声はアゴをひいて行う。
・体を開き重心を前に出す。
・情景を思い浮かべる。

以下、「夕焼小焼」の個々の注意点です。
1. 全体に強度を2段階落として歌うように意識する。
 楽譜の上ではmpからfffまで出てくるが、これをppからfくらいに下げる。
2. 皆が知っている曲なので言葉をクリアにすることよりも流れを大切にする。
3. 出だしから12小節目まではmfであるがppくらいの気持ちで歌う。
4. 1小節目から明るく、一本の線で4小節目「♪かねがなる♪」までを真っ平らにする。
5. 1小節目の「♪ゆうやけ♪」で「ゆう」の後で抜かずにつなげる。
6. [下2声] 3小節目「♪おてら♪」で「て」の音が上がるが跳ねずに弱くする。
7. 3小節目最後の「の」の後は抜かずに次の「♪かねがなる♪」につなげる。
8. 4小節目「♪かねがなる♪」の「が」で3つの音になる。ここでは遠くへ向かって
  フワッとした感じにする。
9. [バス] 4小節目の「が」から」な」へストレートに下げる。
10. 4小節目の途中からピアノ伴奏が入ってくるところで和音を広げて
  印象画のように感じさせる。
11. 5小節目「♪つないで♪」の「つ」でU母音を丁寧に、4つのパートで内声を聴く。
12. 7小節目「♪からすと♪」で「か」は口の前をはっきり開ける。
13. 9小節目「♪こどもがかえったあとからは♪」で「こ」は明るく、「が」は暗く、
  「か」は明るく、「た」は暗く、「あ」は明るく、母音に気をつける。
14. 11小節目の「♪おおきな♪」ではピアノ伴奏に合わせてクレシェンドにする。
15. 13小節目から20小節目まではmfだがmpくらいにする。
16. 16小節目「♪きんのほし♪」は広がりを持たせて少しクレシェンドにする。
17. 19小節目の「♪やまの♪」からは2小節かけて徐々にクレシェンドする。
18. 19小節目最後の「の」の後で切らずにつなげる。
19. 21小節目からは楽譜上で強度がf。体を開いて声をしっかり出す。
20. 23小節目で上2声は「♪からすと♪」で広がりを持たせて入り、
  下2声の「♪いっしょに♪」にしっかりつなげる。
21. [上2声] 「♪A---♪」は抜かずにしっかりとつなげる。
22. 25小節目ではバリトンだけが「♪しょう♪」を伸ばしているので、ここで
  バリトンが良い声で広げる。
23. 26小節目後半の「♪ろー♪」はクレシェンドで、ページの変わり目で休みを入れる。
  続いて27小節目で4声が一斉に強く入る。
24. 27小節目最後の「♪いっしょに♪」の後はブレスしてはいけない!
25. [セカンド] 28小節目は2拍目をしっかり動き、「え」は低めに取る。
26. 29小節目の「しょう」で広げていく。
27. 31小節目「♪きんのほし♪」などの「ん」は上の歯の裏に舌をつけて発声する。

以上、かなり多くの注意点があります。
気をつけて気持ちを合わせて歌いましょう。  by セカンドテナーの記録係


2016年1月31日、2月7日、14日の練習記録

3回分の練習記録をまとめて登録します。
大久保師匠の熱いご指導のもと、「唱歌の四季」の練習が始まりました。
「茶摘」と「夕焼小焼」から入って、来週は「朧月夜」も始める予定です。
2月14日の練習については録音を既にネット上に登録していますので、併せて復習にご利用ください。

「茶摘」
師匠からのご指示に従い、「男の慈愛に満ちて」歌いましょう。
1. 20小節目からはピューレントで、ゆっくりとしたテンポになる。
2. 21小節目「♪つづきの♪」の最初の「つ」は「トゥ」に近く発音し、  暖かい和音がほしい。
  豊かな感覚を持たせる。
3. 同じく21小節目「♪つづきの♪」の最後の「の」は1拍をしっかり取り、
  次の「♪きょう♪」の前に休みを入れない。
  (25小節目などの同じパターンの箇所でも同様と思われる。)
4. [下2声] 23小節目の「♪をーー♪」はデクレシェンド気味ではあるが広がる感じに歌う。
5. 25小節目始めの「の」は4声で明るく(暖かく)合わせる。
  29小節目始めの「つ」も同様。
6. 32小節目「♪つまにゃ♪」はストレスをかけて重さがほしい。
  そして続く「♪にほんの♪」でホッとした感じを出す。
7. 36小節目「♪A-♪」はバリトンだけがクレシェンドにして他3声はデクレシェンドにする。
8. 37小節目でセカンドは2拍目が1拍目と同じ音なのでしっかり入り直す。
  3拍目からはセカンドの音を他パートがよく聴いてセカンドに合わせる。

「夕焼小焼」
師匠からは和音としての響きをしっかり出すようにと指示がありました。
1. 3小節目「♪やまのおてらの♪」は遠くを見渡す感じで表現する。
2. 5小節目始めの「♪おーてて♪」は暗めで入り、「♪つないで♪」で
  明るく綺麗な和音で広がりを持たせる。
3. 7小節目最初の「か」は明るめに入る。
4. 13小節目最後の「を」は明るく幸せなイメージを持たせる。
5. 15小節目2音目の「ら」は4声で同じ音になるので抑える。
6. 27小節目「♪いっしょに♪」の「いっ」で4声の綺麗な和音を作りたい。
7. [セカンド] 28小節目で最初の2つの四分音符をしっかり動く。
8. 32小節目は上段ではなく下段の方を歌う。
この曲はまだ音程の取り方が不十分と思われますので、音取り用の音源を聴くなどして練習しておきたいですね。

以上  by セカンドテナーの記録係